この記事の結論
ホームページの多言語化は、見る人のブラウザ翻訳に任せる手軽な形から、言語ごとにページを作る形まで幅があります。訪日のお客様や海外の取引先にきちんと届けたいなら、来てほしい相手と訳すページを先に決め、言語ごとに別のURLのページを用意するのが基本です。費用は、翻訳・作る・続けるの3つに分けて考えると見通しが立ちます。
目次9の章+よくある質問
結論|相手と訳すページを決めて、言語ごとのページを作る
多言語にするなら、来てほしい相手と訳すページを先に決め、言語ごとに別のURLのページを作るのが、検索にも見る人にも伝わりやすいやり方です。
「英語のページがほしい」と思ったとき、最初に決めておきたいのは次の3つです。
- 誰に向けるか:訪日のお客様か、海外の取引先か、国内に住む外国籍の方か。相手によって、言語も載せる中身も変わります
- どのページを訳すか:全部を訳す必要はありません。相手が知りたいページから順に
- 誰が訳し、誰が確かめるか:機械翻訳を使うにしても、公開の前に、その言語に詳しい人の目を通す
やり方は、見る人のブラウザの翻訳機能に任せる手軽なものから、言語ごとにページを作るものまであります。この記事では、それぞれの良い点と注意、Googleの公式ドキュメントにもとづく検索の設定、訳すページの選び方、費用の考え方、英語版の作り方の順にまとめました(公式の情報は2026年9月27日に確認)。

多言語化のやり方は4つ|良い点と気をつけたい点
やり方は大きく、ブラウザの翻訳に任せる、自動翻訳の表示を付ける、翻訳プラグインを使う、言語ごとにページを作る、の4つに分かれます。
| やり方 | 良い点 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 見る人のブラウザの翻訳に任せる | 費用も手間もかからない。Chromeなどは、ページを訳して表示できる | 訳の質を選べない。自社で用意した言葉を届けることはできない |
| 自動翻訳の表示を付ける(外部サービス・プラグイン) | 全ページを一度に訳せて、公開までが早い | 訳の確認が追いつきにくい。言語ごとのURLができるかはサービスしだい |
| 翻訳プラグインで言語ごとのページを作る(WordPress) | 言語ごとのURLや切り替えボタンを作れる。お知らせも言語別に管理できる | 訳文は用意する必要がある(自動翻訳の機能を持つものもある)。プラグインの更新も要る |
| 言語ごとに主なページだけ作る | 訳す中身を絞り、質を確かめながら作れる | 日本語のページを直したら、ほかの言語も手で直す必要がある |
WordPressなら、Polylang・Bogo・TranslatePressのように、WordPress.orgで無料で配布されている多言語化のプラグインがあります(Polylang Proのような有料版もあります)。PolylangはURLの言語コードや、言語ごとのサブドメイン・ドメインで言語を分けられます。Bogoは「投稿のコピーを作るだけで、そのコピーを訳すのは使う人の役目」と説明していて、TranslatePressは手動の翻訳と自動翻訳の両方に対応しています。どれを使っても、訳文の中身を確かめるのは使う側の仕事です。
「Google翻訳をサイトに付ければ、無料で多言語になる」と聞いたことがあるかもしれません。今の公式ヘルプでは、Google翻訳のウェブサイト翻訳ツールを申し込めるのは、学術機関・政府機関・非営利団体のサイトや、非営利目的のサイトと案内されています。営利の会社のサイトは、この案内の対象に入っていません。
もうひとつ知っておきたいのが、Google検索の翻訳機能です。Googleは、検索した言語と違う言語のページについて、検索結果のタイトルと説明文を翻訳して表示することがあり、英語や韓国語も対象に入っています。ただ、開いた先は機械翻訳の表示で、訳の中身は選べません。自社の言葉で説明を届けたいなら、訳したページを自分で用意しておくのが近道です。
翻訳の質|機械翻訳は下書き、仕上げは人の目で
機械翻訳は下書きづくりには便利ですが、公開する前に、その言語に詳しい人に一度は読んでもらうのがおすすめです。
いまの機械翻訳は、かなり自然な文を出してくれます。それでも、ホームページには間違えると困る言葉がたくさん入っています。とくに確かめたいのは次のようなところです。
- 固有名詞:会社名・商品名・地名・人名のつづり。ローマ字の書き方をサイト全体でそろえる
- 数字と単位:料金(税込か税抜か)、日付の書き方、営業時間、サイズや重さの単位
- 決まりごと:キャンセルの条件、予約の締め切り、支払い方法、食材やアレルギーの表示
- 日本語ならではの言い回し:「お気軽に」「ご縁」「こだわり」などは、直訳すると意味がずれやすい
- ボタンとフォーム:「送信」「確認」などの短い言葉と、名前・住所・電話番号の入力欄の並び
訳しやすい日本語を書いておくことも効きます。一文を短くし、主語をはっきりさせ、あいまいな言い方を減らす。日本語のページも読みやすくなるので、一石二鳥です。
Googleの説明で気をつけたいのが、「定型の部分だけ訳す」形です。メニューやフッターだけが訳されていて本文が日本語のまま、というページは、見る人にとって不便だとされています。いっぽうで、ページの本文が翻訳されていれば、言語ごとの版を重複とは見なさない、とも説明しています。訳すなら、本文まで訳すのが前提です。
検索に出るための設定|言語ごとのURLとhreflang
言語ごとに別のURLを使い、hreflang(別の言語版をGoogleに伝える書き方)で各版をつなぐのが、Googleのすすめる方法です。
Google検索セントラルの多地域、多言語サイトの管理には、次のようなことが書かれています。
- 言語ごとに別のURLにする:Cookieやブラウザの設定で表示の言語を切り替える方法はすすめない
- 1ページに1つの言語:Googleはページに見えている中身で言語を判断し、lang属性のようなコードの情報やURLは使わない。原文と訳文を1ページに並べない
- 自動で飛ばさない:見る人の言語を推測して、別の言語のページへ自動で転送しない。かわりに、ほかの言語のページへのリンクを置く
URLの分け方には、国別のドメイン(example.de など)、サブドメイン(en.example.com など)、サブディレクトリ(example.com/en/ など)があります。同じドキュメントでは、サブディレクトリは導入が手軽で管理しやすいとされていて、中小企業のサイトなら、まずこの形で足りることが多いと思います。URLに「?lang=en」のようなパラメータを付ける形は、すすめられていません。
hreflangは、各ページに「このページの英語版はここ、中国語版はここ」と書いておく印です。ページのローカライズ版について Google に知らせるによると、書く場所はHTML・HTTPヘッダー・サイトマップの3通りで、どれを使っても同じように扱われます。各言語のページに自分自身も含めたすべての版を書くこと、どの言語にも当たらない人向けの「x-default」を決めておけることもポイントです。中国語は、zh-Hans(簡体字)とzh-Hant(繁体字)のように書き分けられます。
公開したら、それぞれの言語のページが検索に登録されているかを確かめましょう(Search Consoleの使い方)。検索の基本はSEO対策の基本にまとめています。
どのページを訳すか|相手と目的で優先順位をつける
訳すページは、相手がお店や会社を選ぶ前に必ず見るページから選び、全部を一度に訳すより、主なページをきちんと訳すほうが伝わります。
| 目的 | 先に訳したいページ | あわせて考えたいこと |
|---|---|---|
| 訪日のお客様に来てほしい(宿・飲食・体験) | トップ・料金やメニュー・予約・アクセス・よくある質問 | 支払い方法、キャンセルの決まり、最寄り駅からの道順、食材やアレルギーの表示 |
| 海外の取引先を増やしたい(製造・BtoB) | トップ・製品やサービス・会社概要・お問い合わせ | 仕様、対応できる数量と納期、認証や規格、担当者が使える言語 |
| ネットで海外に売りたい | 商品・送料と届け方・支払い・返品の決まり | 国ごとの送料や決済。ネットショップの作り方から考える |
| 外国籍の方を採用したい | 採用・仕事の内容・働く環境 | 応募の方法と、面接で使う言語 |
どの言語を用意するかは、相手の国や地域で決めます。日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計によると、2025年に日本を訪れた外国人は約4,268万人。国・地域別では韓国(約946万人)、中国(約910万人)、台湾(約676万人)、米国(約331万人)、香港(約252万人)の順で、この5つで全体の約7割を占めます。中国本土の方には簡体字、台湾や香港の方には繁体字が使われているので、中国語はどちらを用意するかも決めておきましょう。
業種ごとの考え方は、旅館・ホテルのホームページ制作、飲食店のホームページ制作、製造業のホームページ制作、ECサイトの作り方にも書いています。
費用の考え方|翻訳・作る・続けるの3つに分ける
多言語化の費用は、訳文を用意する費用、言語ごとのページを作る費用、公開後に訳し続ける費用の3つに分けて考えると、見積もりを比べやすくなります。
| 費用の中身 | 何にかかるか | 抑えるコツ |
|---|---|---|
| 訳文を用意する | 社内で訳す手間、翻訳会社への依頼、機械翻訳の確認 | 訳すページを絞る。日本語の原稿を短く、はっきり書いてから訳す |
| 言語ごとのページを作る | 言語ごとのページ、切り替えのリンク、hreflang、フォームや自動返信メールの翻訳 | 最初から言語の数を欲張らない。あとから言語を足せる作りにしておく |
| 公開後に続ける | お知らせや料金を変えるたびの翻訳、プラグインや外部サービスの利用料 | 訳すお知らせを決めておく(営業日の変更など大事なものだけ、など) |
制作の見積もりは、言語やページの数で金額が変わる頼み先もあれば、多言語を料金に含めている頼み先もあります。比べるときは「何語まで、どのページまで、翻訳を含むか、フォームや自動返信メールも訳すか」をそろえて聞いてください。自動翻訳のサービスやプラグインの有料版を使うなら、利用料が毎月・毎年かかるかも確かめておきます。たとえばTranslatePressの無料版は、AIによる自動翻訳が2,000語までと案内されています(2026年9月時点)。費用全体の考え方はホームページ制作費用の相場にまとめています。
英語版の作り方|公開までの8つの手順
英語版は、相手と訳すページを決め、日本語の原稿を整えてから訳し、確認・公開・更新のルールづくりまでを順に進めます。
- 相手と目的を決める:訪日のお客様か、取引先か。問い合わせ・予約・資料請求など、してほしい行動も決めます。
- 訳すページを決める:上の表を参考に、最初は5ページ前後に絞るのも手です。
- 日本語の原稿を整える:一文を短く、主語をはっきり。英語版だけに要る説明(最寄り駅からの行き方、支払い方法など)も足します。
- 訳す:社内の方が訳す、翻訳会社に頼む、機械翻訳を下書きにする、など、誰がどう訳すかを決めます。
- その言語に詳しい人が確かめる:固有名詞・数字・決まりごと・ボタンの言葉を中心に読んでもらいます。
- 言語ごとのページとして作る:言語ごとのURL、切り替えのリンク、hreflangを入れます。
- 問い合わせの受け方を決める:フォームの項目と自動返信メールも訳し、英語で届いた問い合わせに、誰が何日以内に返すかを決めておきます。
- 公開後の更新のルールを決める:料金や営業日を変えたら英語版も直す、など、日本語と英語の中身がずれない決まりを作ります。
7つ目の手順は見落とされがちです。英語で問い合わせが来ても返せなければ、せっかくのページが逆効果になりかねません。フォームの作り方はお問い合わせフォームの作り方に、ネットで予約を受けたい場合はホームページに予約機能を付ける方法に書いています。

格安HP屋に頼むと|4言語まで標準・追加料金なし
格安HP屋のホームページ新規制作とリニューアルには、日本語・英語・中国語・韓国語の4言語までの多言語対応が標準で入っていて、追加料金はかかりません。
2022年4月から標準にしました。料金は新規制作が25万円、リニューアルが30万円(どちらも税込・追加料金なし)で、4言語までなら、言語やページの数で金額は変わりません。サーバー・ドメインの実費(年1〜2万円ほど。名義はお客様)のほかに、追加の請求はしません。
訳文をどう用意するか(お客様で用意する・翻訳会社に頼む・機械翻訳を確かめる、など)は、見積もりの段階で一緒に確かめます。いただいた訳文をページに流し込み、多言語のサイトとして仕上げます。
- テンプレートを使わない:一社ずつゼロからデザインするオリジナルです。英語や中国語は日本語と文章の長さが変わるので、実際の訳文で見え方を確かめることが大切です。
- 初稿を、実際に動くHTMLで見せる:画像やラフではなく、パソコンやスマートフォンで開いて触れる形でお見せします。URLを開くだけなので、離れた場所にいる担当の方とも同じ画面を見ながら話せます。
- SEOの基本も標準:構造化データ(検索エンジンに内容を伝える記述)・サイトマップ(ページの一覧)・OGP(SNSで共有されたときの見え方)・GA4(アクセス解析)の設定を入れます(検索順位のお約束はしていません)。
制作中の修正は何回でも無料で、納品後30日間(リニューアルは60日間)は無償でサポートします。作ったサイトは制作事例に、料金は料金プランに載せています。「まずは英語だけ、主なページから」といったご相談も、お問い合わせからどうぞ。
まとめ|多言語化は「相手・ページ・訳す人」から
ホームページの多言語化は、来てほしい相手と訳すページ、訳して確かめる人を先に決めれば、あとは手順どおりに進められます。
- やり方は、ブラウザ任せ・自動翻訳の表示・翻訳プラグイン・言語ごとのページの4つ。自社の言葉で届けるなら、訳したページを用意する
- Google翻訳のウェブサイト翻訳ツールは、学術・政府・非営利などのサイト向けの申し込み制(2026年9月時点の公式ヘルプ)
- 機械翻訳は下書きに。固有名詞・数字・決まりごと・ボタンの言葉は、その言語に詳しい人が確かめる
- 言語ごとに別のURLにし、hreflangで各版をつなぐ。自動で転送せず、切り替えのリンクを置く
- 費用は翻訳・作る・続けるの3つ。見積もりは「何語・どのページ・翻訳を含むか」をそろえて比べる
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