この記事の結論
ホームページ制作費の払い方に、決まった正解はありません。前払いでも納品時払いでも、いつ・いくら払うかと、途中で止まったときのお金を契約の前に決めておけば、大きな失敗は防げます。前払いが心配なら、払う額を工程の進み具合に合わせて小さく分けるのがコツです。
目次9の章+よくある質問
結論|払い方より「途中で止まったときのお金」を先に決める
ホームページ制作費の払い方に決まった正解はなく、大事なのは、いつ・いくら払うかと、途中で止まったときのお金を契約の前に決めておくことです。
払い方には、契約のときに一部を払う「着手金+残金」、先に全額を払う「前払い」、完成してから払う「納品時の一括」、何回かに分ける「分割」、月々払い続ける「月額制」や「リース」があります。どれにも理由があり、前払いだから悪い、後払いだから安心、と単純には言えません。
気をつけたいのは、払ったお金と、できあがった作業の釣り合いです。完成前に払う額が大きいほど、途中で止まったときに取り戻しにくくなります。反対に、払う額を進み具合に合わせておけば、万一のときの損は小さく済みます。この記事では、払い方ごとの違い、前払いの注意、途中でやめたときの考え方、振込とカード、請求書の確かめ方、インボイス制度の入口まで、順にまとめました。

支払い方の種類|着手金・前払い・納品時・分割・月額・リース
ホームページ制作費の払い方は大きく6つに分けられ、支払いのタイミングと、途中でやめたときの扱いがそれぞれ違います。
| 払い方 | しくみ | 良いところ | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| 着手金+残金 | 契約のときに一部、納品のときに残りを払う | 全額を先に払わずに済み、作る側も安心して始められる | 途中でやめたときに、着手金が戻るかどうか |
| 前払い(一括) | 契約のときに全額を払う | 支払いの手続きが1回で終わる | 完成前に全額を払うので、止まったときに取り戻しにくい |
| 納品時の一括 | 完成・公開のあとにまとめて払う | 仕上がりを確かめてから払える | 支払期日(公開後何日以内か)を確かめる |
| 分割 | 制作費を何回かに分けて払う | 一度に出ていくお金が小さい | 手数料を含めた総額と、途中でやめたときの残りの扱い |
| 月額制 | 制作費を月々の料金に含めて払い続ける | 初期費用を抑えられる | 最低契約期間、解約金、解約後にサイトとドメインが残るか |
| リース | リース会社と契約し、月々リース料を払う | 初期費用を抑えられる | 基本的に途中で解約できず、解約するなら残りのリース料に当たる額を払う |
月額制は、初期費用0円のかわりに、制作費を月々の料金で回収するしくみになっていることがあります。5年、6年と払い続けると、一括で払うより総額が大きくなる場合もあるので、比べ方は月額制ホームページと買い切り、5年の総額で比べると?を、あとから費用が増えやすいところは「追加料金なし」の本当の意味を見てください。制作費そのものの目安はホームページ制作費用の相場にまとめています。
前払い・着手金は危ない?|法律の基本は「引渡しと同時」
前払いや着手金は当事者どうしで決めればよい取り決めで、それ自体が危ないわけではありませんが、完成前に払う額が大きいほど、止まったときの損も大きくなります。
民法には、請負(仕事の完成に対して報酬を払う契約)の報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に支払わなければならない、という決まりがあります(民法633条)。ホームページの制作がこの請負にあたる場合、法律の上での基本の形は「できあがったものと引き換えに払う」です。前払いや着手金は、これとは別に、契約で決めた払い方ということになります。
作る側が着手金を求めるのには、もっともな理由もあります。完成までの人の手間は先に出ていきますし、途中でキャンセルされたときの損を小さくしたい、はじめての取引で支払いが心配、ということもあるでしょう。着手金を求められたこと自体を疑う必要はありません。
前払いするときに、払いすぎないコツ
- 工程に合わせて分ける:契約時、デザインが決まったとき、公開のとき、のように進み具合に合わせて払う
- 最初に払う額を小さくする:まだ何もできていない段階で、全額やその大半を払わない
- 相手を確かめる:所在地、連絡先、制作事例、見積書や契約の書面がそろっているか
- 返金の条件を書面にする:途中でやめたとき、着手金を返すのか、どこまで精算するのか
個人や少人数の事務所に大きな金額を一括で前払いするときは、相手が病気や廃業で続けられなくなった場合のことも考えておきたいところです。個人に頼むときの考え方はホームページはフリーランスと制作会社どっちに頼む?に書いています。
途中で止まったときのお金|契約で決めておく5つのこと
制作が途中で止まったときにいくら払うのかは、契約で決めていないと揉めやすいので、止まる理由ごとの扱いを書面に残しておくのが安全です。
民法では、注文した側は、仕事が完成する前なら、損害を賠償していつでも契約を解除できるとされています(641条)。また、完成前に解除された場合でも、それまでの仕事のうち分けられる部分によって注文者が利益を受けるなら、作る側はその割合に応じて報酬を請求できる、という決まりもあります(634条)。つまり、途中でやめても「1円も払わなくていい」とは限らず、どこまでできていて、いくら払うのかを話し合うことになります。その物差しを、先に契約で決めておくわけです。
- 段階ごとの精算額:設計まで、デザインが決まるまで、組み立ての途中、など、やめた段階ごとにいくら払うか
- 着手金の扱い:途中でやめたとき、着手金を返すのか、精算に回すのか
- 途中までのデータ:デザイン案や作りかけのデータを受け取れるか、ほかで使ってよいか
- 作る側の都合で止まったとき:納期に大きく遅れた、連絡が取れなくなった、というときに、返金や解除ができるか
- 依頼する側の都合で止まったとき:原稿や写真を出せない、社内の事情で待ってほしい、というときに、いつまで待ってもらえるか、再開の条件は何か
途中までのデータを使えるかどうかは、著作権ともかかわります。考え方はホームページの著作権は誰のもの?にまとめました。実際の契約の読み方や、個別の判断で迷ったときは、弁護士などの専門家に相談してください。
支払いで起こりがちな行き違い
支払いの行き違いは、相手の不誠実さより、そもそも決めていなかったことから起こることがよくあります。よくあるのは次のような場面で、どれも契約の前に一言決めておけば防げます。
- 公開前にやめたのに、ほぼ全額を求められた:契約に「着手後の解約は全額」と書かれていた。解約の条件は、着手金の額と一緒に確かめる
- 着手金を払ったあと、進み具合が見えなくなった:いつ何が出てくるのかを決めていなかった。初稿やデザインの提出日を、支払いの時期と一緒に決めておく
- 月額制を途中でやめたら、残りの期間の料金を求められた:最低契約期間があった。契約期間と解約金は、月額と同じくらい大事な数字
- 振込手数料の分だけ、入金が足りないと言われた:どちらが持つのかを決めていなかった
分割・月額・リースで払うとき|総額と「やめられるか」を見る
分割や月額、リースで払うときは、月々の金額より、払い終わるまでの総額と、途中でやめられるかどうかを先に確かめてください。
分割払いなら、手数料を含めた総額、回数、途中でまとめて払えるか。月額制なら、最低の契約期間、途中で解約したときのお金、解約したあとにサイトのデータとドメインが手元に残るか。このあたりが契約書にはっきり書かれているかを見ておきましょう。ドメインが誰の名義になっているかは、あとで頼み先を変えるときの大事なポイントです。しくみはドメインとは?で説明しています。
リースには、とくに注意が必要です。公益社団法人リース事業協会の説明(リース契約の特徴)によると、ファイナンス・リースは、使う人、リース会社、販売する会社の三者がかかわる取引です。基本的にリース期間中の解約は禁止されていて、解約するときは、残りの期間のリース料か、それに当たる違約金を一括で払うよう契約で決められています。同協会が参考として示すリース契約書の条項でも、物件の品質に問題があっても、リース料の支払いは免れないとされています。ホームページの制作をリースで払う提案を受けたら、ホームページのリース契約は危ない?を読んでから判断してください。
支払い方法と請求書の確かめ方|振込・カード・振込手数料
支払いの前には、請求書の金額と内容が見積もりと合っているか、振込先の名義が契約の相手と結びつくかを確かめてから払うのが基本です。
| 請求書で見るところ | 確かめること |
|---|---|
| 宛名・日付 | 自社の名前が正しいか。発行日と支払期日 |
| 金額 | 見積もりと同じか。税込か税抜か、消費税の額 |
| 内容 | 何の費用か(制作費、サーバー代など)が見積もりと合っているか |
| 振込先 | 口座の名義が、会社名・屋号・代表者名など、契約の相手と結びつくか |
| 発行者 | 名前、住所、連絡先。インボイスの登録事業者なら登録番号 |
| 振込手数料 | どちらが負担するのか、一文書かれているか |
振込手数料をどちらが持つかは、決めておかないと小さな行き違いになりがちです。民法には、弁済(支払い)の費用は、別段の意思表示がなければ債務者、つまり払う側の負担とする、という決まりがあります(485条)。実際には取引ごとに決めることも多いので、見積書や請求書の書き方を確かめておきましょう。
もう1つ気をつけたいのが、メールで届く「振込先が変わりました」という連絡です。IPA(情報処理推進機構)は、ビジネスメール詐欺の対策として、急に振込先や決済の方法が変わったときは、メール以外の方法で取引先に確かめるよう呼びかけています。電話で一言確かめるだけで防げることなので、面倒でも習慣にしておくと安心です。
クレジットカードで払える会社なら、使えるブランドと、決済の手続きがいつになるのかも聞いておきます。払ったあとの経理の処理(勘定科目)はホームページ制作費の勘定科目にまとめました。
インボイス制度の入口|相手が登録事業者かどうかで控除が変わる
消費税の課税事業者が制作費の消費税を差し引く(仕入税額控除)には、原則として、登録を受けた事業者が出す適格請求書(インボイス)の保存が必要です。
国税庁のタックスアンサー No.6498によると、インボイス制度(適格請求書等保存方式)は令和5年10月1日から始まっていて、適格請求書は、税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者しか交付できません。登録番号は、法人なら「T+法人番号」、それ以外なら「T+13桁の数字」で、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」で確かめられます。
登録を受けていない事業者(免税事業者など)から買った分は、原則として仕入税額控除ができませんが、経過措置で一定の割合は控除できます。国税庁のQ&A(問113、令和8年4月改訂)では、割合は次のとおりです。
- 令和8年(2026年)9月30日まで:仕入税額相当額の80%
- 令和8年10月1日から令和10年(2028年)9月30日まで:70%
- 令和10年10月1日から令和12年(2030年)9月30日まで:50%
- 令和12年10月1日から令和13年(2031年)9月30日まで:30%
2026年10月1日からは、80%が70%に変わります。経過措置を使うには、帳簿に経過措置の対象である旨を書くなどの要件もあります。どれくらい影響するかは、自社が消費税をどう計算しているか(一般の計算か、売上げの消費税額をもとに仕入れの分を計算する簡易課税か、そもそも免税事業者か)でも変わります。相手が登録事業者かどうかは見積もりの段階で聞いておき、自社への影響は顧問の税理士に確かめてください。

格安HP屋に頼むと|支払いは納品時の一括だけ
格安HP屋の支払いは納品時の一括だけで、公開後14日以内にお支払いいただく形です。着手金も分割払いもなく、リース契約も使いません。
料金は、ホームページの新規制作が25万円、リニューアルが30万円、LP(1枚で完結する宣伝用のページ)が8万円で、すべて税込です。ページ数や機能の数で金額は変わらず、追加料金もかかりません。別にかかるのはサーバー・ドメインの実費(年1〜2万円ほど)だけで、これはお客様の名義で契約します。
公開(納品)前にやめる場合は、費用は一切かかりません。着手金も違約金もいただいていないので、この記事で書いた「途中で止まったときのお金」を心配しなくて済みます。公開したあとの返金は原則としてしていませんが、納品したものに契約の内容と合わない点があれば、納品後30日以内にご連絡いただければ、直すか作り直します。
支払い方法は、銀行振込かクレジットカード(VISA・Mastercard・JCB・American Express)です。請求書は納品のときにお出しします。
お金を払う前に仕上がりを確かめられるのも、納品時払いのよいところです。僕らはテンプレートを使わず、一社ずつゼロからオリジナルでデザインしていて、初稿は画像やラフではなく、パソコンやスマートフォンで実際に開いて触れるHTMLでお見せします。制作中の修正は回数無制限で、追加料金はかかりません。完成に近い形を見て、直して、納得してから公開し、そこで初めてお支払いいただく流れです。
公開後の保守は、月額0円で必要なときに都度ご依頼いただくのが基本です。まとめて任せたい方向けの保守管理プラン(月額2万円・税込)もありますが、入るかどうかは自由で、あとから切り替えることもできます。最低契約期間もないので、必要な時期だけスポットで頼めます。料金の一覧は料金プランで、これまでに作ったサイトは制作事例でご覧いただけます。
まとめ|払う額を、できあがった分に合わせる
ホームページ制作費の支払いは、払い方の種類より、払う額とできあがった作業の釣り合いと、途中で止まったときの扱いを契約の前に決めておくことが大切です。
- 法律の基本は「引渡しと同時」。前払いや着手金は、契約で決める払い方
- 前払いするなら工程に合わせて分け、最初に払う額を小さくする
- 途中でやめたときの精算、着手金、途中までのデータの扱いを書面に残す
- 分割・月額・リースは、総額と途中でやめられるかを確かめる。リースは基本的に中途解約できない
- 請求書は見積もりと照らし合わせ、振込先の名義と振込手数料の負担を確かめる
- インボイスは相手が登録事業者かを確かめ、影響は税理士に確認する。経過措置は2026年10月から70%
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